Azureの小ネタ (改)

~Azureネタを中心に、色々とその他の技術的なことなどを~

最近のAzure Client SDK事情 Java編

Azure storage SDK for java V10 (その1) - Azureの小ネタ (改) で言及したように、V8から大幅変更されたV10がリリースされてから約一年たちましたが、V10系(現在はV11)の失敗を認めて、V12系を新規に立ち上げるようです。

V10を試してみたとき使いにくいSDKだなとは思っていたのですが、 こんな Issue まで立てられるしまつ。 This API is useless (v10) · Issue #432 · Azure/azure-storage-java

そして以下のようなリリースを見つけました。(この記事執筆時点で5 days ago なので、そこそこ早く見つけた感)

azure-storage-java/V12 Upgrade Story.md at master · Azure/azure-storage-java

そもそもV8では

そのそもV8ではBlob/Queue/Tableなどすべての機能が入っておりフィットプリントの大きさや、スレッドセーフ、オブジェクトの不変性、同期APIベースなどが問題になりV10への移行が決定したわけですが、V10では少々やり過ぎて、ホントにREST APIに薄い皮が被ったラッパーAPIと化した感じでしたし、非同期APIしかなかったし。

V10になって

先ほどの文書を多少意訳しますと以下のような感じです。

  • 大規模なアプリでのネットワーク不安定 Rx-Netty実装の結果
  • 同期APIの非サポート
  • 扱いにくく、直感的でな設計(クラス)
  • 利便性の欠如(まあ、SDKは便利なAPIをサポートしてなんぼという気もしますが、コンテナのexistsメソッドもなかったですし)

V12では

V12ではこれらを反映して、同期、非同期の両APIサポート、フレームワークライブラリ変更(RxJavaからReactor、okhttp から Reactor-Netty などなど。

その他、色々と反省の弁が書かれていますので、ぜひご一読を(Google翻訳で普通に読める感じに翻訳されますw)

ライブラリは既に公開されていますので、例によってコンテナ作ってファイルをアップロードするサンプルの破片など。名前空間は、com.azureに変更されてます。MavenのGroupIdもcom.microsoft.azureからcom.azureへ。

SharedKeyCredential creds = new SharedKeyCredential(accountName, key);
        
        StorageClient client = new StorageClientBuilder()
                .credential(creds)
                .endpoint("https://" + accountName + ".blob.core.windows.net").buildClient();

        ContainerClient containerClient = client.getContainerClient("hoge");
        if (containerClient.exists().value() == false) {
            containerClient.create();
        }

        BlockBlobClient blobClient = containerClient.getBlockBlobClient("blob.txt");
        blobClient.uploadFromFile("c:/temp/a.pdf");

ちなみに、V8系, V10系はともにメンテナンスは継続されるとのこと。ではでは。

[追加]

ソースのありか。READMEにサンプルが書かれてます。

azure-sdk-for-java/sdk/storage/azure-storage-blob at master · Azure/azure-sdk-for-java · GitHub